1.プリプレイ
【シナリオスペック】
シナリオ名:病院に轟く叫び
推奨PC人数:2人
推定プレイ時間:6時間程度(テキストセッション)
使用経験点:0点
【シナリオの舞台】
仙台近郊、遥々病院
【ストーリー概要】
GARDEN付近の病院で医療事故が多発する報告が寄せられる。
東北支部はこれにネフィリムが絡んでいるのではないかと考え、PCたちを派遣する。
しかし、実際に関わっていたのはバンシーと呼ばれる怪異で、これを巡って現地の魔術師と対立が発生する。
【シナリオの目的】
ランク6バンシーの討伐
【推奨特性能力】
電磁操作
備考:全ての戦闘では1エリアのみを使用する。
【PC間コネクション】
PC間コネクションはPC1とPC2でお互いに取得する。
【プレイにあたって】
アルスノトリア、ワイルドハントのモブエネミーを使用しているためGMはこの2冊を所持しておいてください。
【NPC解説】
伽藍堂
所属:GARDEN東北支部
ランク:13
特性能力:身体強化
解説:GARDEN東北支部の支部長を務める男性。42歳。
本名は東堂 隼人(とうどう・はやと)。
豪放磊落な性格で、涙もろく人情に厚い。
休日は映画鑑賞に出かけるのが趣味。
化野 契(あだしの・ちぎり)
所属:魔術結盟日本ロッジ東北支部
階位:従騎士(ランク3)
魔術系統:魔女術
解説:魔術結盟日本ロッジ東北支部に所属する女性。19歳。
ポーカーフェイス気味で感情をあまり表に出さないため、周囲からは何を考えているのかよくわからないとされる。
PC1、PC2とは任務先でよく遭遇し、なんだかんだで協力して事件を解決する腐れ縁。
階位はまだ低いが、薬草の扱いに長けている。
【トレーラー】
謎の事故が多発する病院。
現地調査で出会ったのは複数の魔術師たち。
そして、彼らは怪異を狙っているという。
真の勇者は、どこにいる。
ガーデンオーダー
「病院に轟く叫び」
仲間と共に、闇に蠢く彼の敵を討て!
【シナリオハンドアウト】
シナリオコネクション
PC1&PC2用ハンドアウト
コネクション:化野 契(あだしの・ちぎり)/関係:ライバル
スタイル:バディ
医療事故の多発する病院、遥々病院を調査する君たち。
現地で出会ったのは、以前から任務先で協力関係にあった魔術師、化野 契。
彼女もまた、自らの組織から調査のために派遣されたのだが、この病院には他にも魔術師が介入しているという。
果たして、今回の事件を征するのは誰になるのだろうか。
メモ
ミドル戦闘は魔術師と戦闘
クライマックス戦闘はバンシー&餓鬼
2.シーン詳細
【オープニングフェイズ】
シーン1.
シーンタイトル:出動
シーンプレイヤー:PC1&PC2
場所:GARDEN東北支部
解説:GARDENの命令を受けて病院に向かう直前の場面。
支部長から命令の概要が説明される。
描写:GARDEN東北支部。君たちはここで命令を受け任務に赴く。
今回も東北市部長であるコールサイン“伽藍堂(がらんどう)”から、調査の命令が下される。
セリフ:
伽藍堂「よく集まってくれた、PC1、PC2」
伽藍堂「実は今、仙台のとある病院では物騒な事件が起きていてな……」
伽藍堂「遥々病院というところなのだが、奇妙な医療事故が多発しているようだ」
伽藍堂「誰も押していないのに勝手にナースコールが鳴るとか」
伽藍堂「自動販売機が勝手に動き出してジュースが出続けるとか」
伽藍堂「まあ、これくらいなら奇妙ではあるものの、いたずらの範疇で済む」
伽藍堂「だが、洒落にならない案件も少なくないのだ」
伽藍堂「万全の状態であったにも関わらず、突然生命維持装置が停止したとか」
伽藍堂「手術中に停電なんてものまであった」
伽藍堂「この医療事故で亡くなったものも少なくない」
伽藍堂「君たちには、この事件の裏になにが潜んでいるのか調査を行ってもらいたい」
伽藍堂「予め先方には連絡を付けておいた。まずは遥々病院の院長室へ向かって欲しい」
結末(終了条件):PCたちが病院へ行くとシーン2へ移行する。
【ミドルフェイズ】
シーン2.
シーンタイトル:警告
シーンプレイヤー:PC1
場所:仙台近郊、遥々病院、院長室
解説1:遥々病院の院長室。院長は息を引き取っており、代わりに魔術師でありライバルの化野 契と遭遇する場面。
院長は化野が来る前には既に殺されており、PCたちは化野とともに事件の全貌を明かすことになる。
セリフ1が終わったら、登場PCは望むなら〈交渉〉または〈威圧〉で判定を行い、化野に目的を尋ねることが出来る。
その場合、化野の〈交渉〉60%と対決判定を行い、勝利すれば成功として描写2とセリフ2を読み上げる。
なお、シーン2の描写2はシーン3以降でも戦闘中でなければ、シナリオ中各PC1回ずつ行うことが可能である。
描写1:遥々病院。
受付に、調査で訪れたことを告げると君たちはここの院長室へと案内された。
伽藍堂との打ち合わせどおりなら、そこに今回の事件について詳細を伝えてくれる院長が待っているはずだ。
…………待っている、はずだった。
しかし、院長は机に顔をうずめて反応をしない。
君たちがいくら声をかけても、言葉一つ返さないのだ。
奇妙に思っていると、部屋の奥から声をかけられる。
声の主は化野 契。
彼女は魔術師で、君たちとは異なる組織に所属しながらも、何度か任務先で共闘を行った存在だ。
セリフ1:
化野 契「あら、遅い到着ね」
化野 契「大方院長さんに用事があったのでしょうけれど、残念ながら彼は息を引き取ってるわ」
化野 契「信用しなくても構わないけど、私は犯人じゃないわよ」
化野 契「私の目的はこの病院で起きている事件の調査」
化野 契「場合によっては、利用させてもらうところはあるかもしれないけど、院長さんを殺す理由はないわ」
化野 契「それで、提案なんだけど。この事件、私とあなた達で協力して解決する気はない?」
化野 契「そちらの目的は、この事件に収束を付けることでしょう?」
化野 契「GARDENの存在理由から考えて、それ以外にないでしょうしね」
化野 契「魔術や怪異に関わるものだったら、こっちで調査しておくわ」
化野 契「それと、もしも戦闘が起きるなら助力くらいわね」
解説2:PCたちが化野の目的を聞き出す行動をとったときにこの描写を行う。
化野はこの事件は怪異が絡んでいると見ており、場合によっては怪異は自分たちの研究に役立てるかもしれないと企んでいる。
クライマックスフェイズの戦闘時、化野 契は1ラウンド目の最後に「生気衰弱」を行う。
描写2:
君たちは化野に問い詰める。一体何を企んでいるのだ、と。
魔術師が純粋な善意のみで混乱を収束するために動くのは考えにくい。
ならば、裏で何かを計画しているはずだと。
セリフ2:
化野 契「あらあら、信用ないのね」
化野 契「まあ、そのくらい警戒を持ってくれる方が私としても信頼できるしいいのだけれど」
化野 契「心配しないでも、あなた達に迷惑をかけるようなことはしないわ」
化野 契「……私たちは、この事件の裏に怪異が絡んでると思っているのよ」
化野 契「ネフィリムとは似て非なる存在、ね」
化野 契「まあ、実際はネフィリムも怪異も同じようなものなのかもしれないけれど」
化野 契「ともかく、病院を混沌に落としている怪異を捕獲して、研究材料にしたいのよ」
化野 契「研究内容? 怪異とネフィリムの関係性よ」
化野 契「さっきも言ったと思うけど、ネフィリムと怪異は似ているの」
化野 契「だから、この2つにはどんな関係があるのか。それを研究するのが今の目的よ」
化野 契「これでいいかしら?」
化野 契「……ま、私に舌戦で勝ったご褒美でもあげようかしら」
化野 契「もしも、事件の元凶が怪異だったとしても、積極的な攻撃で協力してあげるわ」
化野 契「本当は、怪異はできるだけ傷つけないで捕獲したかったけれどね」
化野 契「捕まえられれば、こちらとしても文句はないわ」
結末(終了条件):PCたちと化野の会話が終了すればシーン3へ移行する。
シーン3.
シーンタイトル:調査スタート/どこから調べようか
シーンプレイヤー:PC2
場所:仙台近郊、遥々病院、院長室
解説:遥々病院で起きている2つの事件。院長殺害事件と原因不明の医療事故。
この2つを調査するために計画を練る場面。
描写:遥々病院、院長室。
今君たちは、魔術師の化野 契と共に事件の調査を始めようとしている。
セリフ:
化野 契「さて、調査の基本は足って言うけれど、当てがないと困るわよね」
化野 契「本当は私も、院長さんから事情を聞いてから動きたかったんだけど……」
化野 契「これは、怪異とは別の勢力が妨害でもしてるのかしらね」
化野 契「仕方がないわ。謎は一つ一つ晴らしていきましょう」
化野 契「今調べるべきことは3つよ」
化野 契「1つ目は、院長さんを殺したのはどこにいるのか」
化野 契「これに関してはフーダニットも、ホワイダニットも関係ないわ」
化野 契「誰がやったか、なんて敵対する勢力以外にいないでしょうし、動機は恐らくあなた達への妨害」
化野 契「となると、院長さん殺しの犯人はどこかであなた達を排除するために身を潜めているはずよ」
化野 契「気をつけなさい。うっかりすると、不意を突かれるなんてのもありえるでしょうから」
化野 契「まずはナースステーションで監視カメラでも調べればいいんじゃないかしら」
化野 契「もっとも、犯人も簡単には姿を現してはくれないでしょうけれど」
化野 契「2つ目は、医療事故の原因を探ること」
化野 契「あなた達の本来の目的はこれね」
化野 契「……まあ、私やその他の勢力が動いている以上、普通の事故なんてことはありえないんだけど」
化野 契「まずは現場を調べればいいんじゃないかしら」
化野 契「手術室……は難しいでしょうから、最近医療事故で亡くなった患者さんの部屋を調べればいいんじゃないかしら」
化野 契「3つ目は医療事故の原因がネフィリムや怪異、その他反社会組織なら、その居場所を探ること」
化野 契「もしも医療事故が事件なら、原因を取り除かないと必ず同じことが起こるわ」
化野 契「これについては、まずは事故の原因を確定させてからでないと難しいでしょうね」
化野 契「調査が進展したらまた話し合いましょう」
結末(終了条件):なにを調査するのか決めたらシーン4またはシーン5へ移行する。
「院長殺しの犯人」を調べるならシーン4へ。
「医療事故の原因」を調べるならシーン5へ移行する。
備考:調べることまとめ
1.院長殺しの犯人
ナースステーションで監視カメラを調べよう
2.医療事故の原因
医療事故で亡くなった患者の部屋を調べよう
3.犯人の居場所を探す
あとで
シーン4.
シーンタイトル:調査/院長殺しの犯人
シーンプレイヤー:PC1またはPC2、望んだキャラクター
場所:仙台近郊、遥々病院、ナースステーション
解説:ナースステーションで聞き込みを行う場面。
院長殺しの犯人を探していることを告げると、職員たちはショックを受けながらも協力してくれる。
しかし、監視カメラは機能が破壊されており、閲覧には修理が必要だった。
〈機械修理〉で判定を行い、失敗すれば魔術師たちの存在に気づくことができずシーン6の1ラウンド目はPCは行動を行うことができない。
〈機械修理〉の判定に成功した場合、描写2とセリフ2を読み上げる。
描写1:遥々病院、ナースステーション。
そこでは多くの看護師や医者が詰めており、忙しそうにしている。
最近多い医療事故に、神経を張り詰めているようだ。
君たちが、院長が殺されたこととその事件の調査を行っていることを告げると、職員たちは慄きながらも協力をしてくれた。
セリフ1:
職員「そんな、院長先生が亡くなっただなんて……」
職員「今朝までは元気な姿を見せていたのに、ショックです」
職員「一応、こちらが監視カメラとなるのですが……」
職員「どうやら、壊れてしまっているようですね」
職員「どうしましょう。修理するには時間がかかりそうですが」
描写2:君は器用にも監視カメラを修復し、犯行の映像を閲覧できた。
そこに移っていたのは、院長室の扉の前に立つ複数の人間たち。
そして、彼らの側から立ち込める黒いモヤのようなものが院長室の中に侵入する様子だった。
同時刻の院長室のカメラを見ると、そのモヤは院長に纏わりつき、彼を苦しめた後消滅した。
そうして、院長は殺されたのだった。
セリフ2:
職員「なに……これ?」
職員「え、もしかして心霊映像……ドッキリじゃないですよね」
職員「まさか、これが最近の医療事故の真相なのでしょうか……」
職員「でも、この人達。今まで見かけませんでしたよ」
職員「じゃあ、事故と殺人は別?」
結末(終了条件):判定後の処理が終わるとシーンは終了する。
シーン5が終わっている場合、シーン6へ移行する。
そうでない場合、シーン5へ移行する。
シーン5.
シーンタイトル:調査/医療事故の原因
シーンプレイヤー:PC1またはPC2、望んだキャラクター
場所:仙台近郊、遥々病院、304号室
解説:医療事故の原因を探るシーン。
描写1の後、シーンプレイヤーは〈抵抗力〉で判定を行い、失敗した場合は叫び声を直に聞いてしまった恐怖で[軽傷1]を受ける。
その後、描写2を読み上げる。
描写1:医療事故の原因を探るため、君たちは直近で患者が亡くなったという304号室へ訪れた。
一見すると普通の部屋のようで、実際調べても特段変わったものは見受けられない。
だが、調べている最中君たちはおぞましい奇声を聞いてしまう。
描写2:なんとか、気が狂いそうになる奇声を耐え抜く君たち。
突然襲いかかってきた謎の声。これは事故の犯人と結びつくのだろうか。
結末(終了条件):判定後の処理が終わるとシーンは終了する。
シーン4が終わっている場合、シーン6へ移行する。
そうでない場合、シーン4へ移行する。
シーン6.
シーンタイトル:死の予言
シーンプレイヤー:PC2
場所:仙台近郊、遥々病院、院長室
解説:院長室に戻り、化野に調査の報告を行う場面。
化野はPCたちの体験から、今回の事故は怪異バンシーが起こしているのではないかと推測する。
なお、PC1が手に入れた情報は直接報告しても、PC2が報告しても構わない。
描写:院長室。相変わらず、院長の亡骸は机に埋めている。
死臭すら漂ってくるこの部屋で、化野 契は君たちの報告を待っていた。
セリフ:
化野 契「待っていたわ。早速報告をちょうだい」
化野 契「あなた達は病室で奇声を聞いた、と」
化野 契「多分だけど、犯人はバンシーでしょうね」
化野 契「死期が迫っている人の近くで叫び声を上げる妖精よ」
化野 契「本当は勇者にしか叫ばないとか、デュラハンめいた存在なんだけど……」
化野 契「やっぱり、なにか細工でもされてるのかしら」
(院長殺しの犯人がわかっていない場合)
化野 契「そう、流石に簡単にしっぽを掴ませてくれなかったようね」
化野 契「いずれ襲撃にはやってくるのでしょうけれど、タイミングが読めないのは困るわね……」
(院長殺しの犯人がわかっている場合)
化野 契「なるほど、黒いモヤが院長さんをね……」
化野 契「恐らく、死霊魔術か喚起魔術の使い手でしょうね」
化野 契「きっと、彼らは間もなくあなた達を狙ってやってくるわ」
化野 契「……構えなさい。噂をして影を現したようよ」
結末(終了条件):会話が終了するとシーン7へ移行する。
シーン7.
シーンタイトル:妨害工作
シーンプレイヤー:PC全員
場所:仙台近郊、遥々病院、院長室
解説:描写上、襲撃に来ている魔術師は4グループだが、1グループは化野が受け持つためPCたちは3グループと戦うことになる。
エネミーはランク3ペイジが[PC人数+1グループ](ワイルドハンドP73)。
配置はPCとエネミーがそれぞれ1エンゲージで、距離は近距離。
シーン4の〈機械修理〉判定に失敗している場合、PCたちは不意を討たれて1ラウンド目は行動できない。
なお、MLは2として扱うため、ペイジの行う各種魔術の〈魔術〉判定の技能は半分として扱う。
戦闘が終了すると描写2とセリフ2を読み上げる。
シーンの最後に、PCたちの軽傷と重傷を各PCそれぞれ3点まで取り除く(軽傷は1点、重傷は2点とする)。
描写1:化野と共に事件の考察を行う君たちだが、その時間は突然奪われた。
激しく扉が開かれ、廊下から多数の人間が襲撃を仕掛けてきたのだ。
彼らは一様にローブを着ており、いかにも魔術師然とした集団だ。その数40人。
(補足:PC人数が3人以上の場合は適宜人数の修正を行ってください。)
セリフ1:
魔術師「GARDEN、ついでに化野。貴様らには我らが儀式を邪魔しないでもらおう」
魔術師「この病院はこれからも、我らのための礎になり続けてもらう。」
魔術師「大いなる計画、人造英雄プロジェクトのためにな!」
化野 契「あら、ついでだなんて随分低く見られたものね」
化野 契「いいわ。そっちの10人くらいは私が相手をしてあげる」
化野 契「PC1たちは、残った連中をお願い!」
描写2:化野と共に魔術師たちを倒した君たちは怪異バンシーに対する調査を続ける。
セリフ2:
化野 契「さて、戦闘前に刺客たちが言ったことを覚えてるかしら」
化野 契「人造英雄プロジェクト。どうやら、この魔術師たちが裏でなにかをやっていることは間違いないようね」
化野 契「儀式となると、どこかで細工が施されているはずよ」
化野 契「場所は……おっと、どうやらローブの中にメモがあるわね」
化野 契「……霊安室を儀式場にするだなんて、悪趣味ね」
化野 契「それと、怪我をしたなら治療するわね」
結末(終了条件):戦闘後の会話が終了するとシーン8へ移行する。
シーン8.
シーンタイトル:調査/儀式場への道
シーンプレイヤー:PC2
場所:仙台近郊、遥々病院、地下通路
解説:霊安室に向かう場面。霊安室は地下にあり、廊下を進むが魔術師たちの仕掛けたセキュリティにより進行は妨害される。
誰か一人でも〈解錠〉判定に成功しなければ、時間がかかったことによってクライマックスフェイズに登場するランク2餓鬼の数が1グループ増える。
失敗した場合も、時間をかけてパズルを解いて結界は解除される。
描写:魔術師が持っていたメモを参考に、霊安室を目指す君たち。
霊安室は遥々病院の地下にあるようで、地下の廊下を歩くのだが……一向に目的地へとたどり着く気配はない。
これは、魔術師たちの最後の仕掛けでも働いているのだろうか。
セリフ:
化野 契「やられたわね」
化野 契「どうやら、さっきの魔術師たち。自分たちが行動不能になると邪魔者を排除する結界を地下に貼ったみたい」
化野 契「これが魔術的なものなら私が解除できたんだけど……」
化野 契「というか、魔術的な仕掛けはもう解除したんだけど、どうやらそれだけじゃないみたいなのよね」
化野 契「さっきのメモ、私が仕掛けを解除したらもう一個別の仕掛けが浮かび上がってきて」
化野 契「なんというか、パズルめいててよくわからないのよね……」
化野 契「私、パズルは苦手だからあなた達に手伝ってほしいんだけど、いかがかしら?」
結末(終了条件):判定を終え、霊安室にたどり着くとシーン9へ進む。
【クライマックスフェイズ】
シーン9.
シーンタイトル:勇者を待ち受けるもの
シーンプレイヤー:PC1
場所:仙台近郊、遥々病院、霊安室
解説:霊安室にたどり着き、叫び声を上げる怪異バンシーと戦闘するシーン。
霊安室にたどり着くとPCたちは、霊安室の中央で叫び声を上げる精霊バンシーと、その声に呼応しているのか動き出す死体たちを目の当たりにする。
エネミーはランク6バンシー1体(後述)、ランク2餓鬼(アルスノトリアP94)が[PC人数+1グループ]。
配置はPCとエネミーがそれぞれ1エンゲージで、距離は近距離。
シーン8の判定次第でランク2餓鬼が1グループ増えていることに注意すること。
また、この戦闘では化野 契が支援行動として次の行動を行う。
「癒やしの呪い」:ラウンドの最後、全PCの[致命傷]を1点回復する。1/シナリオ
「生気衰弱」:1ラウンド目の最後、バンシーに対し[DOT:軽傷2]のデバフを与える。シーン2の条件を満たした場合に使用。1/シナリオ。
戦闘終了後、描写2とセリフ2を読み上げる。
描写1:霊安室。棺桶が立ち並ぶ部屋の床には不自然な魔法円が描かれていた。
死者たちが眠るその部屋の中央で、儚い姿をした女性は叫び声を上げている。
病的なまでに白い肌をしたソレは、人間に非ず。
勇者を死へ誘う妖精、バンシー。
決して勇者とは関わりのない病院であっても、魔術師たちの儀式によって呼び出されたバンシーは声を上げ続ける。
そして、その死に誘われたのか。死者たちも2本の足で立って蠢き出す。
セリフ1:
バンシー「キェエエエエエ!!」
化野 契「なるほど、この声は凄まじいわね」
化野 契「PC1たち! 私も手伝うから、なんとかこの場を切り抜けて儀式を破綻させるわよ!」
描写2:バンシーたちを排除した君たちは、魔術師たちが仕掛けた儀式を化野と共に破壊した。
これで、不自然な医療事故が起こることはないだろう。
セリフ2:
化野 契「これでいいのよね」
ふと、化野の様子を伺うと、彼女は消えゆくバンシーになにをするでもなく、ただ消滅する姿を見送っていた。
化野 契「うん? 捕獲はいいのかって?」
化野 契「いいのよ、こんな消耗した状態の妖精捕まえてもどうにもならないだろうし」
化野 契「それに、勝手に呼び出されて今度は別のところに連れられるだなんて、理不尽だしね」
化野 契「それじゃ、私はロッジに戻って報告しないとだからこれでね」
化野 契「お互い、あまり出会わないほうがいいとは思うけど、せいぜい敵対しないことを祈ってるよ」
結末(終了条件):戦闘を終え、化野との会話終了後GARDEN東北支部へ報告に向かうとシーン10へ進む。
【エンディングフェイズ】
シーン10.
シーンタイトル:勇者を出迎えるもの
シーンプレイヤー:PC全員
場所:GARDEN東北支部
解説:PC全員の合同エンディングシーン。
GARDEN東北支部で事件の報告を行う場面。
描写:遥々病院で起きていた怪奇現象を解き明かし、事件の収束に成功した君たちはGARDEN東北支部に戻り報告を行う。
セリフ:
伽藍堂「化野 契、彼女が現れ協力をした……か」
伽藍堂「いや、我々と魔術結盟は特別協力関係にあるわけではないのだがね」
伽藍堂「今度菓子折りでも贈っておこうか」
伽藍堂「それにしても、今回の事件もお手柄だったようだな」
伽藍堂「諸々の処理はこちらで行う」
伽藍堂「君たちはゆっくり休息に時間を使うといい」
結末(終了条件):会話を終えるとシーン終了。
3.使用データ
名前:ランク6バンシー
タイプ:精霊綱
記載:オリジナル
身体:12/感覚:18/知力:11/意志:14/魅力:14
負傷|疲:7/軽:6/重:4/致:3/死:1
行動値:15/移動値:1
技能|特性能力(120%)、当身(100%)、回避(40%)、捜索(50%)、抵抗力(60%)
【特性能力】
《ソニックブレイカー》
「対象:周」「射程:近」の〈抵抗力〉と、自身の〈特性能力〉で対決を行う。
自身が勝利した場合、「スタン」のデバフを与える。
メインアクションに使用する。「コスト:疲労1」
【攻撃】
近接|叫び声〈当身〉
対象:単/射程:至近
攻撃:〈衝撃〉1D10+14
特性|ソニックアタック〈特性能力〉
対象:単/射程:至近~近
攻撃:〈衝撃〉2D10+12
備考:「コスト:疲労1」
防御力
切:6/銃:6/衝:6/灼:8/冷:10/電:8/呪15
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